コーセーは2月25日、美容室向け化粧品卸売業のグループ子会社「株式会社クリエ」の社名を「コーセープロフェッショナル株式会社」に変更する、と発表した。目的は、グループ資産のシナジー効果を最大化すことと、コーセーのグループ子会社として顧客へのコミュニケーションを積極的に展開すること。3月6日に開催する同社の株主総会での決議をもって決定。4月1日から新会社名になる。
同日の午後、クリエは2019年度経営方針説明会を開催。課題として挙げたのは、①美容業界に置いて存在感を発揮すること、②売上げの微増が続き、柱となるブランド、商品を育成すること、③美容室専売品の鮮度と魅力度を高め、パートナーサロンの取り組み意識を引き出すこと、の三つ。
これらの実現に向け、商品政策、営業政策、社内体制を強化するとともに、社名変更に踏み切った。美容業界で市場獲得、実績拡大を図ることに、「コーセーが本気であることを示した」とクリエの川野巧一社長は語った。
クリエは二本柱戦略、略してT・P・S(two-pronged strategy)を打ち出した。一つ目の柱は、コーセーのグループ会社であることを活かして、一般市場で広告宣伝を展開し、消費者の認知度が高い商品を広域戦略商品として積極的に美容市場に展開すること。第一弾は、19年1月21日に導入する「スポーツビューティ日焼け止めスプレー」、第二弾は8月21日から展開する薬用シワ改善クリーム「ONE BY KOSÉ ザ リンクレス」である。
二つ目の柱は、新しい美容室専売ブランドを展開すること。商品開発は始まっており、抗酸化成分「アスタキサンチン」とシワ改善有効成分「リンクルナイアシン」を組み合わせた商品群になる見込み。発売は19年12月21日の予定だ。
この二本柱戦略を軸に、ディーラーと協働体制を構築。取り扱い店舗数を増やす考え。例えば、「スポーツビューティ日焼け止めスプレー」は、5年間で1万店舗の取り扱いを目指すという。