化粧品市場のEC化率は跳ね上がっている
2020年は化粧品EC元年と呼ばれるだろう。新型コロナ禍の外出自粛、小売業の休業をきっかけに始まった化粧品ECの急成長は一過性のブームで終わりそうにない。その主役はブランド直営店ではなく、トラフィックが多いリテールのECである。三越伊勢丹「meeco(ミーコ)」の増収率は20年4~5月が前年同期比400%超、6~8月が同200%超、9月以降は同150%以上を保っている。阪急百貨店の「阪急ビューティーオンライン」は20年4~5月が同600%で、6月以降は同300%をキープ。21年1~2月は同200%以上で、新型コロナで打撃を受けた百貨店にとってECは数少ない希望の光だ。
一方、ネット専業も著しい成長を見せている。楽天市場の20年の国内EC流通総額は前年比19.9%増で、初めて4兆円の大台に乗った。アマゾンと同様にカテゴリー別の数字は非公表だが、「楽天市場、アマゾンは一段と無視できない存在になった」(外資系ブランド)というから、豊富な商品群とトラフィックを武器に化粧品の取扱高を伸ばしているはずだ。新興の化粧品専用コスメショップアプリ「NOIN(ノイン)」の流通額も20年は右肩上がりに伸び、21年1月は前年同月比約6倍、21年2月は同約10倍である。
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