アイスタイルは2月12日、2021 年 6 月期の通期連結業績予想を取り下げると発表した。その理由について、上期における実績や、現状の新型コロナウイルスの感染状況が収束していないことを鑑みた結果、期初計画の前提から状況が大きく変化し、現時点において業績への影響を合理的に算定するのは困難なため、としている。コロナ影響を精査できた段階で修正後予想を発表する予定だ。

20年8月に策定した期初計画の前提では、連結全体において第2四半期で新型コロナウイルスの影響が収束する見込みであったのに対して、実際には感染者数の増加や緊急事態宣言が再度発令されるなど、社会全体において策定時より景況感が悪化。これにより、収益の柱であるOn Platform事業や店舗を有するBeauty Service事業が、大きく影響を受けた。

具体的には、On Platform事業は、コスト削減により収益性を改善するも、第2四半期で新型コロナウイルスの影響が収束することで業績が前期第3四半期の水準まで戻る見込みに対して、感染拡大の影響によりクライアントである化粧品ブランドの予算保守化が続いている。広告・ソリューションサービスおよびブランドオフィシャルの売上高において乖離が発生した。

Beauty Service事業は、店舗においてコスト削減による大幅な赤字圧縮に成功するも、第2四半期で新型コロナウイルスの影響が収束する見込みに対して、感染拡大の影響により特に大型旗艦店を含む都市部の店舗における客足の戻りがコロナ前と比べて6~7割と鈍い。

またGlobal事業は、当該事業全体ではコスト削減により利益面は改善したものの、当該事業において大きく割合を占める香港店舗においては、第2四半期で新型コロナウイルスの影響を受ける前である前期第2四半期の水準まで戻る見込みに対して、現地での感染拡大の影響によりインバウンド需要が依然として蒸発した状況だ。

いずれの事業とも予想数値との乖離幅が大きいことから精査が必要と判断し、今回の取り下げとなった。