フジシンは、2月9日に「WINNER’S FORUM 2021」をオンラインで開催した。昨年は新型コロナの拡大で中止しており、2年ぶりの開催となった。冒頭あいさつに立った遠藤一徳社長は、新型コロナ禍でサロンを取り巻く環境が大きく変化していることについて言及。具体的には●顧客の近隣消費傾向(小商圏化)●顧客の来店周期の長期化●短時間での営業●SNSをはじめとするデジタル化の波●店販のEC化●厳しい採用状況と人材難●働き方改革、多様化する働き方といった点で対応が求められていることを示した。
遠藤一徳社長
そうした中で、2021年のフジシングループのテーマは「価値のSHINKA~深化、進化、真価、新化~」に設定。サロンが提供する価値が、お客が求めている価値よりも大きくないと顧客満足につながらない。そのためにはテーマに掲げるSHINKA、つまりコアコンピタンスをより深める「深化」、さらに磨きをかけ、新たな価値を創造していく「進化」、美容の真価を発揮する「真価」、ニューノーマル時代に適応する新たな価値提供「新化」の四つを軸に、サロンに寄り添い安全、安心、高機能、高付加価値な製品とともにサロンの価値づくり、価値磨きをサポートしていく考えだ。
共育活動では、サロンが求める教育、プロフェッショナルを磨く、美容師が力を発揮する場の提供の三つの軸で、ウィズコロナに対応したリアルとデジタルを併用した新しい形態で提供していく。
商品・メニュー提案のサポートでは、高付加価値カラーメニュー、高付加価値ヘアケアメニュー、オーガニック製品など、各サロンのニーズに合った価値ある商品、メニューの情報を多くの取り扱いブランドから厳選し、スピーディーに提案する方針だ。
デジタル化への取り組みも加速する。具体的には、デジタル教育コンテンツの充実のほか、ホームページの刷新やSNS活用でよりスピーディーにタイムリーな情報を届ける。また、B to Bでの材料のウェブ発注の強化、オンラインショップ開設サポートや店販品の直送など、サロンの店販支援を目的に立ち上げているB to B to CでのクローズドのEC「FORS」のさらなる活用などでサロンを支援する。
19年に青山に開設した「FASTAスタジオ」に関しては、リアルでの活用だけではなく、デジタル、オンラインでの発信拠点としての機能も充実させ、美容師がスキルを磨く場として役立ててもらう考えだ。
後半のセミナーではジャパンブルーコンサルティングの成田直人代表取締役が「コロナ禍にこそ、選ばれるサロンづくり~集めるから集まるお店へ~」と題して講演。「現状うまくいかない理由を探せばいくらでも出てくるが、その中で自身がどう変化していけるか。コロナ禍でお客さまがなかなか来てくれない環境下でどうしたらいいか前向きに考えていくかが大切で、自分でコントロールできるものとできないものを仕分けし、コントロールできるものに焦点を合わせてできることを積み上げていくことが重要」と激励した。