11月2日に東京で開催された第五回エコ・ファースト シンポジウムにて、エコ・ファースト推進協議会加盟企業の一員として、ライオンCSV推進部の小和田みどり部長が循環経済に向けた自社の取り組みを紹介した。
ライオンはエコ・ファーストの約束として①脱炭素社会②循環型社会③自然との共生--という三つの社会の実現を推進している。具体的には、2050年までに①事業所活動におけるCO2排出量ゼロ②ライフサイクルにおけるCO2排出量半減③プラスチックの高度な資源循環④持続可能な水使用--という目標をそれぞれ掲げている。
その中で、濃縮タイプの開発や詰め替え用の普及、バイオマスプラスチックや再生樹脂の利用など、製品を通して環境負荷低減に取り組んできたが、それらに加えて、同シンポジウムでは、リサイクルが難しいフィルム容器の水平リサイクルへの挑戦を紹介した。「生活者がどのような取り組みであれば参加しやすく、かつ参加実感があり、長く続けられるか」(小和田部長)という回収システムと再生物そのものへの技術革新を目指すリサイクル技術の構築という二つの観点から、花王と協業し、実現を目指して取り組んでいると語った。
また、歯ブラシのリサイクルプログラムも紹介。月に一度、毎月8日を「歯ブラシ交換DAY」と定め、効果的なハミガキを行うために定期的に歯ブラシを交換することを進める一方で、歯ブラシそのもののリサイクルに挑戦。使用済み歯ブラシを回収して植木鉢などのプラスチック製品に再生する。このプログラムは、15年から開始している全国対象のものと、20年4月から新たに開始した墨田区との協働活動がある。後者については、墨田区の学校や公共施設に回収ボックスを設置、それを清掃道具など、墨田区の自治体清掃事業に役立つものに再生することで、墨田区民がより実感をもって参加できる循環モデルを目指すとしている。