理美容ディーラーのフジシンは、2018年の重点テーマとして「こだわりの価値」を掲げているが、その一環として、人材不足が言われる理美容業界にあって限られた人材のなかでいかに人を育てていくかに焦点を当て、オータムマネジメントセミナーを9月4日に東京・新宿の京王プラザホテルにおいて開催した。

冒頭挨拶に立ったフジシンの遠藤一徳社長は、全国理美容製造者協会(NBBA)のデータをもとに理美容サロン市場の概況を説明。そのなかで店販比率が7.74%、店販利用客比率が15.46%、店販購入額が3966円といった数字を示し、「店販に対する取り組みが成果として表れている」と述べた。

引き続き行われたセミナーは2部で構成。第1部ではサッカー解説者の山本昌邦氏が「心をつかむ人財育成術」のテーマで講演。現在活躍している長友佑都や本田圭佑といったサッカー選手の成長過程を引き合いに出し、「人を育てていると一生楽しめる」と、人材育成の妙味を語るとともに、人材育成で重要なこととして、経験させて学ばせること、気付かせること、若手でも関わっている感を醸成すること、やらされている感の払拭といったポイントを示した。

また、チームの力を最大化するためには「優秀な人材を多く集めてくるのではなく、今いる人材の能力を最大限引き出すことがリーダーの役割」と語った。

第2部では、M.SLASHの河原晴樹統括ディレクターが「スタッフを輝かせる環境づくり」のテーマで講演。自身が若手と同室で宿泊したときにベッドメイキングをやってもらったことを例にあげ、「人材育成はサロンの中がすべてではない」と語り、育成する側の感性や感度の高さが大切との認識を示した。

両演者の話に、聴講者は熱心に耳を傾けていた。