資生堂は、「SHISEIDO」「クレ・ド・ポー ボーテ」「IPSA」「NARS」「bareMinerals」「Laura Mercier」「Dolce & Gabbana」など高価格帯化粧品やフレグランスを揃えるプレステージ領域から、「樹木との共生」をテーマに掲げる新スキンケアブランド「BAUM(バウム)」(全27品目45品種)を2020年初夏に発売する。

同ブランドは、環境の変化にしなやかに調和しながら何百年も生き続ける〝樹木の力〟に着目。日本人が古来より大切にしてきた「自然との共生」という思想に根差し、樹木の恵みを余すところなく受け取り、樹木資源を未来につなぐサステナブルな社会の実現を目指す。

店舗イメージ

ブランドの最大の特長は、〝樹木〟の「貯水」「成長」「環境防御」の三つのはたらきに着目し、年齢、性別を問わず、すこやかな肌をサポートする商品設計で、全化粧品は、パラベン、シリコーン、合成着色料を使用せず、90%以上を自然由来の素材から製造。樹木由来の天然香料を中心に調合した香りが、森林浴のような心地よさと心身の調和をもたらす。

商品パッケージには、アップサイクル木材を使用。木製家具メーカーのカリモク家具とのコラボレーションにより、商品のパッケージには家具の製造工程で発生した小さい木材を再生利用している。東北や北海道地方で採取される良質なオーク(ナラ)を無駄なく活かし、新たな使命を与えることで甦った素材には、一つ一つ木目や色味の異なる味わい深さがある。

また同ブランドでは、環境負荷の軽減を目指す取り組みも行う。具体的にはレフィル商品を積極的に配置するとともに、一部プラスチック容器にはバイオPET、ガラス容器にはリサイクルガラスを採用する。また、ショッピングバッグの無償配布を行わず、希望するお客にオリジナルエコバッグを販売する。

「BAUM」の発売に当たっては、森林保全活動にも参加。住友林業の協力のもと、パッケージに採用しているオークを中心に植樹し、「BAUMの森」を育てていく。最初の植樹は2021年度を予定。植樹する苗木は、BAUM店舗内でも育成する。

現在、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けた取り組みが世界中で強く奨励されており、企業やブランドの社会的責任や環境配慮に対する姿勢を重視する消費者が増加している。資生堂は、「BEAUTYINNOVATIONSFORABETTERWORLD(ビューティーイノベーションでよりよい世界を)」を企業理念に掲げており、100年先も持続的に輝き成長し続ける企業として、社会課題の解決や環境負荷軽減などに取り組む。「BAUM」の発売を通じ、本業であるビューティービジネスそのもので人々が幸せになるサステナブルな社会の実現を目指す考えだ。