ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業は、敏感肌および「無自覚」な敏感肌の女性が約8割にのぼることを独自のアンケート調査を通じて明らかにした。これを受けて、生活者自身が「敏感肌」状態を客観的に把握し、適切なケアにつなげられるようにするためのアルゴリズムを新たに開発。同技術は敏感肌向けスキンケアブランド「DECENCIA(ディセンシア)」の特設サイトで公開予定のセルフチェック機能に反映する。

「敏感肌」という用語は50年以上も前から文献上で用いられているものの、皮膚科学分野において明確な定義は存在しない。化粧品分野においても統一された定義はないが、一般的に敏感肌とは、外的・内的な因子に対して通常よりも過敏に反応しやすい皮膚状態と認識されている。その皮膚状態は、一時的なものから長期的なものまでさまざまであり、体質や生活習慣、環境によって影響を受けることが分かっている(表1)。

ポーラ化成工業独自の調査では、敏感肌だと自覚している人は74%にのぼる一方で、敏感肌でないと考えている人の中にも、何らかの敏感状態を有する人が78%を占め、多くの「無自覚敏感肌」が存在することが明らかになった(図1)。

敏感肌には適切なケアが欠かせないが、自分の肌を正しく判断することは簡単ではない。そのギャップを埋めるため、誰もが簡単に自分の肌傾向を把握し、適切なケアにつなげられる仕組みとして敏感肌チェック用アルゴリズムを開発した。

今回の敏感肌チェック用アルゴリズムは、「汗をかいた後ちょっとむずむずする。でも私は敏感肌じゃないよね?」といった生活者の声から生まれた。これまで見逃されがちだった日常の小さな違和感に着目し、自覚がなくても実は敏感になっている人に、自分の肌状態を正しく理解してもらえるようにしたことが設計上の重要な検討ポイントだった。

従来は言葉にしにくかった敏感サインを、まずは「どんな場面で起こりやすいか」から丁寧にたどる設計とした。自分では“いつものこと”と思っていた変化や見逃しやすい違和感を、直感的に答えられる質問を通して整理し、肌の傾向を段階的に捉え、分かりやすい4段階で敏感レベルを提示する。

また、敏感の要因を「化学刺激」「物理刺激」「体内環境」「ライフスタイル」の4領域に整理し、それらの組み合わせから13の敏感タイプに分類。これにより、「なぜ自分の肌は敏感になりやすいのか」「どのような対策が合っているのか」を一目で理解できるようになった。

さらに、感じ方の強さ(深刻度)や発生頻度も合わせて評価するアルゴリズムを構築することで、敏感度指数として可視化。感覚的に語られがちな“肌のゆらぎ”を、再現性のある形で把握できるため、状態に合った対策を後押しする。

アルゴリズムの開発は、DECENCIAのための、敏感肌に特化した専門研究チームとしてポーラ化成工業研究所内に新設された新組織(図2)DECENCIA Sensitive Skin Science Centerが中心となって進めた。皮膚科学・生化学・処方技術・生活者理解の知見を結集し、敏感肌研究をより一層深め、肌ゆらぎに対する不安の軽減を目指す。

ポーラ化成工業が化粧品使用試験を通して長年蓄積してきた被験者データを活用し、さらに専門知見を組み合わせることで、皮膚科学的な観点から敏感サインの発生シーンや発生原因などを体系的に整理。これにより深刻度や原因別の敏感肌タイプの特定までの一貫評価が可能となった。

敏感肌は、日々の不快感だけでなく、間違った自己判断によるケアの選択ミスにつながる場合がある。今回のアルゴリズムは、「自分の肌の状態を良く知らない」という生活者の課題に対し、科学的根拠に基づく「気づきのきっかけ」を提供するものだ。これにより、生活者がより適切なスキンケアを選べるようになり、ひいては生活の質の向上につながることを目指す。