ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業の動きが活発だ。強みの基盤研究のリリースは相変わらず豊富。その知見をベースに、2020年にANAホールディングスと「宇宙ライフを美しく快適に」する商品を共同開発するプロジェクト「CosmoSkin(コスモスキン ※1)」を立ち上げたり、21年に「地球を守り、火星を拓く」を目指す研究開発機関 CRRA(一般社団法人炭素回収技術研究機構)と技術指導契約を結ぶなど、オープンイノベーションの事例も急増している。ポーラ・オルビスグループの研究開発で最重視するのは、オリジナリティの追求。その陣頭指揮をとる末延則子取締役に、これからの化粧品の研究開発の在り方について聞く。

※1=宇宙を意味する「Cosmos」と肌を意味する「Skin」を組み合わせた造語

数多の協業を生む独創性のある強み

――日本の化粧品業界の研究開発力は、世界的に高く評価されています。その現状について、どのように捉えていますか。

末延 化粧品の定義が変わり、どんどん他のカテゴリーとの境目がなくなっています。それは化粧品が多様な視点から価値を見出されていることに他なりません。化粧は装うという価値にとどまらず、心理的な安定感、心が踊る楽しさをもたらすもの。もしかすると、生活様式を変える可能性もあります。世の中の変化は速く、企業の大小を問わず、新規事業の開発、新しい価値の創出にチャレンジするケースが増えています。だから、オープンイノベーションを試みる機会が国内外で増え、一段と化粧品の定義を変えています。ポーラ・オルビスグループは、従来の化粧品の概念だけでなく、ライフスタイル、医療などの観点から化粧品の在り方に切り込んでいるんです。

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