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ポーラ化成工業は、第34回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)世界大会のポスター発表部門において、最優秀賞を受賞した。研究成果は、尿の中の細胞からiPS細胞※1(多能性幹細胞)を作り、その細胞を皮膚組織と同様の構造を持つ皮膚オルガノイド※2(ミラースキンと命名)に育て上げる手法を確立したこと。IFSCCは化粧品技術者・研究者にとって最も権威のある学会で、第34回世界大会のポスター発表部門には600件以上の論文が登場。その中で栄冠を勝ち取った。ポーラ化成工業がIFSCC世界大会でアワードを取るのは9度目で、受賞回数は世界3位である。同社の研究開発力の源泉はどこにあり、今後どう強化するのか。2023年10月から同社を率いる片桐崇行社長に話を聞いた。
※1:さまざまな細胞に分化することのできる多能性幹細胞。体の細胞から作ることができる
※2:実際の臓器や組織を模倣した3次元の小さな臓器様の構造。幹細胞を3次元で培養し、細胞の自己組織化により構築する

大失敗の経験があるから後輩の背中を押せる

――化粧品分野の研究開発は、どのような状況ですか。

片桐 日本を含む世界中の企業が研究開発に力を入れており、非常に競争が激しい。その結果、化粧品の品質が底上げされており、独自性や新規性を強く意識しなければ勝ち抜くことが難しくなっています。もともとポーラ化成工業は皮膚の上に化粧膜を作ることが得意だったり、新規素材の開発でも業界をリードする存在です。欧米はもちろん、中国などのキャッチアップはありますが、化粧品の研究開発における最先端を走り続けたい。

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