ポーラの反転攻勢が鮮明になった。リアルの顧客接点に強みを持つ同社のビジネスモデルは、コロナ禍の逆風を強く受けた。しかし、2023年上期決算の国内事業は売り上げ、新規顧客数ともに前年を超過。特に売り上げの62.1%を稼ぐ委託販売は、オンライン上での接点拡大とエステを軸にしたコミュニケーションの両輪を回すことで、来店促進と購入単価が明らかに上昇している。それを支えたのが、ビジネスパートナー(ビューティーディレクター〈BD〉、ショップオーナー〈SO〉)を支援するコンサルタントの急成長、そしてビジネスパートナーの動きが活発になっていることである。この変化は、23年1月に及川美紀社長がTB(トータルビューティー)事業本部長の兼務に踏み切ったことと無縁ではない。組織をフラットにすることで意思決定の柔軟化とスピードアップに取り組み、事業の活性化を後押ししている。ポーラの根幹であるTB事業の現状と今後について、及川社長に話を聞いた。

TB事業本部長の兼務には二つの狙いがある

――ポーラTB事業部の動きが活発になっています。

及川 コロナ禍でお客さまの購買行動は様変わりし、リアルからデジタルまで自由自在に活用していますね。少子高齢化による市場環境の変化も見据え、これまで私たちは戦略的にショップの統廃合などを進めるとともに、LTV(Life Time Value)重視の戦略にシフトすることで、1店舗当たりの効率を高めてきました。まだ進化の途上とはいえ、ビジネスモデル改革の効果が出始めていることに手応えを感じています。

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