サティス製薬は1999年の創業以来、累計800を超えるD2Cブランドの開発を手掛けてきた。ユーザーの反応を感度良く収集し、短期間でよりユーザー嗜好に合わせてブラッシュアップをかける「アジャイル開発戦略」とブランド育成経験から蓄積した豊富なマーケティングデータは、競合ひしめくOEM市場において同社の強みとなっており、際立つ存在感を放ち続けている。環境変化の激しい時代、人々の価値観やニーズが多様化・細分化する時代、そして近づきつつあるポストコロナに向けて、次の一手をどう打つか。同社の山崎智士社長に話を聞いた。
営業活動を2年間停止し品質管理の内部改革に専念
――コロナ禍や物価高など環境が激しく変化しています。
山崎 コロナ禍以後のこの数年間は、経験したことがないほど販売チャネルが激しく変化しました。言うまでもなく、コロナ前の流通はリアルが9割、オンラインが1割。当社はその1割で事業を展開してきました。そして2020年のコロナ禍でリアル店舗が軒並み閉店し、ユーザー導線は強制的にオンラインに移行。当社のメインの取引先であるD2Cブランドは一気に盛り上がりをみせました。しかし、21年の夏前からは、リアル店舗の再開や大手化粧品メーカーのECが活発化し、いわゆるD2Cブランドの勢いが急速に引いていくのを感じました。販売チャネルの変化に伴い、売り場、売り方、売れる商品が目まぐるしく変化しました。
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