人事、報酬を変え自主性を引き出す
尖ったガリ勉――。ポーラ化成工業の島貫智匡執行役員(研究担当)は、自社研究員の特徴をこう表現する。他者との対話をいとわず、好奇心と探求心をフル活用し、最先端の研究成果を発表することに強くこだわる人材が多いからだ。世界中の研究員が成果を発表する「IFSCC世界大会」において、同社の最優秀賞受賞回数は世界3位。すでに実績は十分だが、これまで以上に研究員が個性を発揮できる環境を整えるため、大胆な制度改革に挑んでいる。
その一つは2024年に行った人事制度の全面刷新である。ポーラ・オルビスグループの研究開発・生産を担う同社のキャリアパスは、研究技能を追求するコースと製造技能を深掘りするコースの二つしかなかった。高度な専門知識を持つ人材育成は進むものの、経営者人材が育ちにくいことが課題であった。時代の変化を先読みしR&D戦略を組み立て、同じ目標に向かって研究技術と製造技能を磨く体制を整えるために、人事制度を刷新。キャリアパスは、専門分野での技術・技能を高めて改善・進化を目指すエキスパート、新たな価値創出を目指すイノベーター、次世代経営者候補を目指すディレクターの三つに再編した。
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