国際学術大会での海外勢躍進が目立つ
日本の化粧品研究は世界トップレベルである。日本の消費者が求める品質は高い。その期待に応えるため、化粧品各社は皮膚科学、生理学、原料、素材などの基礎研究、有効性開発、感性、使用感などの応用研究に切磋琢磨し続けている。特に安全性領域は、海外の試験基準に準拠しつつ、独自の代替試験法の開発などに取り組み、厚生労働省の厳格な要求基準も相まって「安全性と品質に関する国際的な評価は高い」とポーラ化成工業の島貫智匡執行役員は強調する。また、世界中の化粧品研究者が研究成果を発表する学術大会「IFSCC(国際化粧品技術者会連盟)世界大会」において、最優秀賞の受賞回数は資生堂が1位、ポーラ化成工業が3位。だが、その地位は大きく揺らいでいる。
2025年9月に行われたIFSCC世界大会(以下、カンヌ大会)では、韓国のOEM企業コスマックスが基礎研究部門最優秀賞を獲得した。同賞の受賞企業は、前述のように資生堂やポーラ化成工業、ロレアルが常連で、韓国勢の受賞は史上初。OEM企業の受賞も初めてのことだったから、世界中の業界関係者に衝撃が走った。韓国化粧品産業を代表する大手企業アモーレパシフィック、LG生活健康は、コスマックスの後塵を拝することになった。
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