2025年9月15~18日にフランス・カンヌで開催された、化粧品技術を競う世界最大の研究発表会「第35回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)カンヌ大会2025」において、全798件の研究報告(口頭発表68件、ポスター発表730件)のうち、資生堂 高井英輔研究員がポスター発表部門で「最優秀賞」を受賞した。

資生堂は、IFSCC主催の研究発表会において、同大会で29回目の最優秀賞受賞となり、世界の化粧品メーカーの中で最多の受賞回数となる。今後もグローバルレベルで高く評価される研究開発力を強みとして革新的な価値を創り続け、同社の企業ミッションである「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」の実現に向け、世界中の人々へ美のイノベーションを届けていく。

第35回IFSCCカンヌ大会2025授賞式

受賞した研究のタイトルは「顔形状のダイナミクス:重力応答型3D顔画像解析による非遺伝的要因の解明と顔形状を改善する成分開発」。

顔の形状は、遺伝だけでなく加齢や生活習慣、環境要因の影響も受けて変化する。スキンケアにおいては、安全性の観点から非遺伝的な因子へのアプローチが求められるが、生体内でそれらを定量的に評価する手法は確立されていなかった。同研究では、重力応答型3D画像解析により、加齢による「たるみ」と生活習慣に起因する「むくみ」の二つの因子を特定した。さらに、むくみを引き起こす表皮炎症のメカニズムと、その重要因子である炎症性サイトカインVEGFA(血管内皮増殖因子A)を抑制する成分として1-(ヒドロキシエチル)エチレン尿素を見いだした。同研究により、顔印象に科学的に働きかけるスキンケアの新たな可能性を明らかにした。