2023年7月、予定を繰り上げてCEOを交代し、大胆な「成長アクションプラン」を発表し、24年には総売り上げを3〜5%増加すると意気込んでいたユニリーバ(本社ロンドン)。24年の総売り上げは608億ユーロ(1.9%増)で、自らが大台と呼ぶ600億ユーロに復帰したものの、一見すると営業利益は3.7%減(94億ユーロ)、税引き前利益は10.8%減(64億ユーロ)と昨年に続いて減少傾向のように見えた。
CEOのハイン・シューマッハ氏とCFOのフェルナンド・フェルナンデ氏は、2月13日、昨年同様、収録されたビデオでの決算報告を行った。そつのないプレゼンテーションからは、投資家に向けよく準備されたメッセージがアピールされる。「われわれは(投資家の皆さんのために)ユニリーバを常に利益を生み続ける企業に蘇らせます」と。同社がCEO交代直後、10月に採択した30年までの「成長アクションプラン」や昨年3月に導入された「生産性向上計画」(3年で8億ユーロの経費削減、今年末までに7500人解雇)をごく簡単に要約するならば、限られた経営資源は利益が見込めるブランドや地域に絞って集中投下し、利益率の悪いものはどんどん切り捨て、徹底的に効率化することで、持続可能な「勝ち組」社風を構築していく――イーロン・マスク氏の言葉かと感じるのは筆者だけだろうか。
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