2月4日、世界の一般消費財市場において、プロクター&ギャンブル(P&G、本社アメリカ)とともに双璧を成すユニリーバ(本社イギリス)が2020年決算結果を報告した。P&Gの会計年度は6月締めであるため、単純に比較分析することは難しいが、ビューティー&パーソナルケアやホームケアなどのカテゴリーに強力なブランド・ポートフォリオを持つグローバル企業は、コロナ禍という未曽有の1年にも強さを見せつけたようだ。ユニリーバの決算報告を中心に、コロナ禍の1年と今後の方向を展望してみよう。

そもそもはユニリーバはオランダのマーガリンメーカー「Unie」社と、イギリスの石鹸メーカー「Lever Brothers」の合併で1929年に誕生。多くの買収を重ねながら、今日では、50以上のグローバルブランドを含む強力なポートフォリオを誇る多国籍消費財メーカーに成長した。近年に至るまで、オランダとイギリスの両方に本社を持つという特殊な体制で経営されてきたが、近年イギリスのEU離脱決定を受けて揺れ動いた末に、昨年、オランダ法人を合併してイギリスに一本化することを決め、11月末に完了させた。

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