サヨナラ、自分を知らずに買う時代――。これは2024年に花王とアイスタイルが設立した「RNA共創コンソーシアム構想」のキーメッセージだ。RNAは、環境や年齢、生活習慣によって働き方が変わる遺伝子。花王の皮脂RNAモニタリング技術を用いて解析すると、いまの身体の状態に加え、少し先の変化までを捉えられる。この肌や身体の変化に合わせた商品・サービスの提案は、スキンケア、ヘルスケアの購買行動を変える契機になり得る。26年1月14日に行われた「RNA社会実装に向けたプレスカンファレンス」で、花王の長谷部佳宏社長は「RNAの考え方は、選択に迷う生活者を支える新しいものさしになり得る」と強調。同社が25年に開発したスマートフォンで撮影した顔写真のみからRNA肌タイプを推定するAIを活用したスキンケアおよびヘアケアの商品を投入。RNAを軸に置いた購買行動の社会実装が本格始動した。

カンファレンスに登壇した花王研究開発部門スキンビューティ研究所の庭野悠室長は「DNAが設計図だとすれば、RNAは、変化する遺伝子だと私たちは捉えています」と説明した。DNAは不変だが、RNAは外部環境やライフスタイルの影響で日々変動する。この変動に適した商品の使用、サービスの利用が肌や身体の健康維持のカギを握る。ただし、この構想を社会に根付かせるには、研究と事業の両面で高いハードルが立ちはだかる。

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