花王の2025年12月期第2四半期(中間期・1月〜6月)の連結決算は、売上高が前年同期比2.7%増の8090億2200万円、営業利益が同19.9%増の694億6900万円となった。税引前中間利益は同11.4%増の717億6600万円、中間利益は同10.4%増の494億6500万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は同14.3%増の496億3100万円で、いずれも2桁の増益を確保した。

売上高は、為替のマイナス影響が1.0%あったものの、価格改定などによる実質成長は3.7%を記録。営業利益率は前年同期の7.4%から8.6%に改善した。

セグメント別では、グローバルコンシューマーケア事業の売上高は前年同期比0.6%増の6058億円、営業利益は同125億円増の543億円と大幅増益。日本ではインバウンド需要や賃上げが消費を下支えし、売上高が同4.4%増の3995億円と堅調だった。海外は、アジアが同7.4%減、米州が同6.3%減、欧州が同2.0%減と苦戦した。

ハイジーンリビングケア事業の売上高は0.9%増の2578億円、営業利益は14億円増の354億円。ペットケア事業の譲渡影響を除くと、実質売上高は1.9%増。ファブリック&ホームケア製品売上高は3.5%増の1782億円、営業利益は29億円増の309億円。「アタック」シリーズがシェア・数量ともに拡大し、ホームケア製品では「マジックリン」などの高付加価値製品が好調を維持した。

サニタリー製品の売上高は4.6%減の796億円、営業利益は15億円減の45億円。日本では「メリーズ」が増収を確保したものの、アジアでは減収。「ロリエ」は中国を中心に好調だった。

ヘルスビューティケア事業の売上高は0.4%増の2115億円、営業利益は31億円増の181億円。日本では新ヘアケアブランド「melt」や「THE ANSWER」、リブランディングした「エッセンシャル」が好調だった。UVケアやハンドソープも堅調に推移。

化粧品事業の売上高は1.5%増の1185億円、営業利益は4億円(前年同期は61億円の赤字)。日本では「Curél」「KATE」「SOFINA iP」など六つの注力ブランドが好調を維持。欧州でも「MOLTON BROWN」や「Curél」が伸長し、全体として黒字転換を果たした。

ビジネスコネクティッド事業の売上高は5.4%減の180億円、営業利益は14億円増の4億円。飲料事業の譲渡影響を除くと実質は増収。業務用衛生製品は堅調な需要に支えられ、フードサービスや宿泊・レジャー分野で販売を伸ばした。

ケミカル事業の売上高は9.1%増の2260億円、営業利益は23億円減の149億円。油脂製品での価格改定が寄与し、売上をけん引。情報材料製品では半導体やハードディスク関連の需要取り込みが進んだが、原材料高騰の影響が利益を圧迫した。

地域別では、日本が同4.9%増の4518億円と堅調。アジアは同0.4%増の1610億円、米州は同2.1%減の1042億円、欧州は同1.9%増の921億円と地域ごとの差が見られた。

こうした進捗を受けて、花王は2025年12月期通期の連結業績予想を上方修正。売上高は前期比3.8%増の1兆6900億円、営業利益は同12.5%増の1650億円、税引前利益は同11.2%増の1680億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同12.3%増の1210億円を見込む。前回予想からはいずれも上振れとなる。