リアルの売り場が持つ価値を再認識

――2023年1月から花王化粧品事業を率いています。1年経過してどのような手応えを得ていますか。

前澤 私はこれまでのキャリアの中で、プレステージブランドに携わる時間が多く、また海外駐在の期間も長かったため、改めて国内のお取引先さまと交流することで、たくさんの学びを得ました。例えば、いま、化粧品専門店やドラッグストア、GMSの売り場に足を運ぶと、リアルの売り場が活況であることがよく分かります。コロナを機に化粧品ビジネスでもデジタル活用が強く問われたものの、偏りすぎると本質を見失うのではないか。特に化粧品は、香りやテクスチャーを試しながら、店頭でのカウンセリングを通じて肌悩みに適した商品を選ぶなど、リアルの売り場には確かな価値があります。コロナ下の化粧品専門店は他のチャネルに比べて売り上げの減少が少なく、また回復も速かったのは、お店さまとお客さまの絆が深いからです。それは、日常的に百貨店やGMSを利用されているお客さまにおいても同様で、化粧品にとってリアルは大事な接点です。再度顧客起点に立ち返り、ビジネスモデルを徹底的に見直そうと決意しています。

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