市場環境の変化に守破離の精神で対応

――2023年の化粧品市場について、どう捉えていますか。

桃谷 コロナと共存する生活が本格的に始まりました。コロナが話題にならなくなっても、コロナ前の状況に戻るわけではありません。むしろ、さまざまなことが、まるで別世界のように変わっています。例えば、23年8月に中国人の団体旅行が解禁されると、インバウンド需要の回復に期待が集まりましたが、そのような状況には至りませんでした。日本の化粧品の多くは中国本土で購入できますし、ローカルブランドの成長も著しいですから、わざわざ日本に来て爆買いする理由はありません。一方、国内の生活者に目を向けると、外出の機会は増えているものの、物価高騰による買い控えが増え、節約志向が定着し始めています。日常生活の出費は抑えますが、自身に必要なもの、好むものは値段に関係なく手を伸ばす。消費と節約の二極化に、ビジネスチャンスを見いださなければいけないと考えています。

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