消費者起点のモノづくりでアフターコロナに備える

――コロナ禍2年目の状況は、どのように捉えていますか。

桃谷 1年目とはまた全然違う2年目だったというのが率直な感想です。なにもかも分からず手探りだった1年目に比べると、2021年は消費者も業界も少し落ち着いたように思います。しかし不安定で不確実なのは変わりません。なによりコロナ以前と以後で連続性が失われてしまったのが非常に大きい。デジタルの浸透、お客さまとの関係、市場データから働き方に至るまで、コロナ前の常識が通用しなくなっています。抽象的な言い方ですが、コロナが収束した後の世界を予測した上で、あらゆる考え方を抜本的に、一から見直さないといけない時代になっていると思います。それを考え直すときに軸となるのが消費者起点です。しかし、顧客データ、購買データをこれまでと同じように分析するだけでは、お客さまの真の姿は見えてこない。生活習慣や世の中が大きく変化した中で、お客さまは何を望んでいるのか。新たな見方、使い方でデータに再投資していくことによって、新しいビジネスが生まれるチャンスもあると考えています。

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