2025年の年頭にあたり、謹んでご挨拶を申し上げます。

全国の販売店の皆さま、業界関係の皆さまにおかれましては、健やかに良き新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中、当社にお寄せいただきました皆さま方のご支援、ご協力に心より厚く御礼申し上げます。

1月1日付にて、花王化粧品事業部門長ならびにカネボウ化粧品代表取締役社長に就任いたしました、内山智子と申します。

私は花王に入社以来、約20年、さまざまな原料や商品の研究開発に携わってまいりました。2023年からはヘアケア第1事業部長として、ヘアケアのブランドフォーメーションを再編。新たなハイプレミアムブランドの投入など、事業の変革に取り組み、数年以上苦戦していた状況からの反転攻勢に貢献しました。

化粧品は人々の感情・尊厳に直結し、生活に彩りを添える大きなパワーを持つ存在で、化粧品市場は最も成長余力のある事業であると言えます。このような夢と無限のポテンシャルを持つ化粧品事業に携わる機会をいただいた事は大変光栄であり、これまでの幅広い経験を生かし、花王の化粧品事業をグローバルで存在感のある力強い個性派集団にしていきたいと考えます。そのためにブランドの個性と一貫性にこだわり、各カテゴリーでNo.1のブランド群にしていくことをめざします。

2024年を振り返りますと、国内市場はコロナ以前と同等の規模まで回復しており、特にベースメイクやポイントメイクが堅調に推移しています。海外に目を向けると、中国市場は鈍化傾向が続いていますが、その他アジアエリアは市場が活発化。欧米ではダーマケアや高価格フレグランスが牽引し、市場は安定しています。

そのような中、花王は「グローバル・シャープトップ」戦略を掲げ、“強いブランドづくり”を推進するとともに、パーパスドリブンなブランド戦略でグローバルな事業拡大・強化を進めてまいりました。

特に、ファーストランナーとして位置づけた、「SENSAI」「MOLTON BROWN」「Curél」や、戦略投資ブランド「KANEBO」「KATE」で、一定の成果があげられたと考えています。

なかでも、「KANEBO」と「KATE」は、ブランドパーパスを軸にしたぶれない活動が奏功し、順調に“強いブランドづくり”を進められています。「KANEBO」は、“黒KANEBO”の愛称でも親しまれ、新商品を発売するたび、SNSを中心に話題となりました。「KATE」は独自の世界観を貫きながら、間断のない新商品発売プロモーションの投入により、セルフメイク市場で断トツのシェアNo.1を継続しています。また、昨年は「KATE」の世界観を体現する旗艦店を渋谷にオープンし、TOKYO発のパーパスドリブンなUX提供により、アジア圏を代表するブランドへと育成を図っています。

2025年も、引き続き“強いブランドづくり”を中心に、「グローバル・シャープトップ」戦略を推し進めてまいります。「SENSAI」「MOLTON BROWN」「KANEBO」「SOFINA」「Curél」「KATE」の6ブランドを「グローバル成長ブランド」として位置づけ、戦略的に強化していきます。

また、新たに注力ブランドに据えた「SOFINA」は、「SOFINA」を基幹ブランドとして、「SOFINA iP」「ALBLANC」「Primavista」などをサブブランドとして位置づけます。すでに、昨年秋からは「SOFINA iP」を、花王ならではの先端皮膚科学に立脚した総合皮膚科学スキンケアブランドとしてリブランディングしていますが、2025年は、それぞれを最先端の皮膚科学をベースに進化させ、新生SOFINAとして再出発いたします。

もちろん、「TWANY」「LISSAGE」をはじめ、グローバル成長6ブランド以外のブランドも、それぞれのスターアイテム育成を中心とした施策で、ロイヤルユーザー拡大を図ってまいります。

EC市場が拡大する一方で、やはり店頭でのリアルの接点を多くのお客さまが求めています。販売店様はブランドとお客さまを繋いでくださる出会いの場であるとともに、ブランドパーパスを浸透し、コアなファンの方を育成してくださるとても大切な場であると考えています。販売店の皆様にお力添えをいただき、共に取り組んでいきたいと願っております。

本年も、引き続き皆様の一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げますとともに、販売店の皆様、業界関係の皆様の益々のご多幸とご繁栄をお祈りし、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

内山智子(花王 執行役員化粧品事業部門長、カネボウ化粧品代表取締役社長)