P&Gと双璧をなす世界有数の多国籍一般消費財メーカーのユニリーバ(本社:英国ロンドン)が、例年通りの2月初め、2023年通年の決算報告を行った。昨年末に引退が予定されていたユニリーバ生え抜きのアラン・ジョープCEOが6月末に突然交代となり、物言う投資家が推挙したハイン・シューマッハ氏が就任。大胆な経営改革を進めてきたが、23年は、同氏が何度も「残念」と発する結果となった。

コロナ禍の20〜22年も強靭さを見せた同社だったが、23年の総売り上げは、前年に高らかに誇った600億ユーロの大台達成を、わずかながら下回る596億ユーロ(前年比0.8%減)。営業利益980億ユーロ(9.3%減)、税引き前利益710億ユーロ(13.7%減)、と軒並みマイナスを記録。事業の売買や為替損による影響が大きかったとし、これを調整した後の営業利益は990億ユーロ(前年比2.6%増)、利益率16.7%(前年比微増)と、これらの指標ではなんとか前年並みを保った。投資関係者は、不況下のインフレで、消費者がユニリーバのような大手ブランド商品から、より安いPBなどに大きく流れたことが最大の要因とみている。

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