1年後の2023年12月末日で、英国に本社を持つグローバル企業「ユニリーバ」のCEOアラン・ジョープ氏が引退する。ジョープ氏は新卒の研修生として1985年にユニリーバに入社したという「下積みからの叩き上げ」だった。欧米では40年近く同じ会社で働いてトップまで昇り詰める、という例は非常に珍しい。だからこそ、CEOとしての君臨期間はたった4年と、前CEOの10年よりもずっと短いことは驚きだ。
ユニリーバは2021年、創業以来90年も続けてきた英国とオランダの双方に本社を持ついわゆる二元上場会社制をやめて英国法人となった。いまもオランダにオフィスはあるものの、本社機能はロンドンに集約されている。経営効率を高めるための変革としているが、18年時点ではオランダ側の本社のみを残すことになっていた。それを決めたのはESG経営(「環境」「社会」「企業統治(ガバナンス)」に配慮した経営)の先駆者として知られる前職のポール・ポルマン氏。ユニリーバをサステナブルなグローバル企業のお手本と目されるようにした功労者として知られるが、この決定は株主から猛反対されて撤回となり結果的に氏は失脚した。反対の理由は主に、ユニリーバが純粋なオランダ法人となった場合、世界の金融の中心地であるロンドンの証券取引所のFTSE100主要株価指数から外され、弊害が起きるというものだった。
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