キリスト教を国教とする英国では、クリスマスは一年で最も大事な祝日だ。12月25日はほぼすべての公共交通が運休し、翌日の「ボクシングデー」と呼ばれる26日も公休日となる。クリスマスは恋人たちがデートする日ではない。成人した子どもとその家族も祖父母世代とともに集まり七面鳥などのご馳走を囲んで盛大に祝い、カードとプレゼントを交換し合うファミリーデーだ。職場でも仕事納め前にパーティーがあり互いにギフトを贈り合う。英国にはお歳暮や旅行土産のような贈り物の習慣はないが、クリスマスは唯一の例外だ。バレンタインデーの「義理チョコ」さながらにたくさんのプレゼントを用意しなくてはならない。
見栄えがよく値段も手頃なプレゼントとして香水、コスメ、入浴剤などの詰め合わせの人気は高い。店にはクリスマス用デザインのギフトパッケージ商品がずらっと並び、年齢層、性別、親しさなど、その品ぞろえは極めて幅広く、価格も5ポンド(約750円)程度のハンドクリームやリップグロスから、数万円する香水ブランドのクリスマス限定仕様までさまざまだ。また、10年ほど前までは、コスメ類に限らずクリスマス商戦のスタートは11月ごろだったが、最近では開始時期がどんどん繰り上がっている。昨年は学校の夏休みが終了した9月初めにはさっそく店頭にクリスマスツリーが飾られ、消費者を驚かせた。
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