コロナ禍による衛生意識の高まりとともに、売り上げを伸ばした洗浄、消毒、洗濯製品。欧州では今、環境保護や持続可能性を求める声がコロナ禍を経て改めて高まり始め、プーチン戦争で急きょ浮上したエネルギー危機が加わり、関連市場への要求はさらに厳しくなっている。洗剤、柔軟剤などを中心とする欧州のファブリックケア市場の動向を概観してみよう。

世界のファブリックケア市場は、特に中国やインドを中心とするアジア・パシフィックにおける生活水準の向上、また、コロナ禍中の衛生や健康への意識の高まりから、洗浄・洗濯関連製品への消費者の支出が伸び、堅調な成長が予測されていた。ある予測では、2028年までに世界市場は1030億ドル(20年は約620億ドル)と平均年率で約6.7%成長、アジア・パシフィックは430億ドルで7.3%成長を見込んでいた(Research Dive)が、サプライチェーンの分断、プーチン戦争によるエネルギー事情の激変により、年成長率を5%程度と下方修正する予測も出ている(Mondor Intelligence)。

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