欧州では、今、使い捨ておむつに、プラゴミ問題と有害ケミカルの両面から白羽の矢が立てられている。世界の先進国では出産・育児中の親たちにはなくてはならない存在となって久しい紙おむつ。だが、その歴史は浅く、第二次大戦直後に普及し始め、化石燃料を湯水のごとく使い始めた1970年代以降の合成化学物質の賜物と言ってもいい。国連やEUなどが大幅削減を求める使い捨て製品リストに掲げられ、国連環境計画(UNEP)から報告書がだされていたが、今度は製品内に残る化学物質の有害性が問われ始めている。少子化が加速する今、紙おむつは未来を担う次世代にさらなる課題を押し付けていくのだろうか。

2月号では、使い捨てプラ製品削減のために、代替開発が促されている生理用品について解説した。UNEPでは、15年ほど前から、原材料から廃棄まで、全ての工程で環境インパクトを分析するライフサイクル・アセスメント(LCA)という考え方に基づいて、現代の社会に深く浸透してしまっている使い捨てプラ製品に次々と焦点をあてた報告書を出している。これまでにレジ袋、PETボトル、使い捨て食器などが取り上げられ、昨年は、紙おむつ、生理用品が取り上げられた。

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