久米島から世界を変える事業モデルを生む
沖縄県久米島に4月15日、藻類の研究開発拠点がオープンする。仕掛けたのはロート製薬の子会社「ロート・F・沖縄」である。太陽、水、二酸化炭素という地球上に無数にある資源を生かし、光合成で育つ微細藻類を培養。それを粉末状に加工すると、わずか2グラムで人間が1日に必要な緑黄色野菜(120グラム)と同等の栄養価が得られる。今後、原料の研究が進むと、医薬品(再生医療など)、スキンケア(多糖類、脂質、色素など)、食品(飲料、加工食品、サプリメントなど)と、多様な分野に応用できる可能性がある。地球に存在する藻類は30万種で、理論上はすべての藻類を培養できる。「微細藻類には1万5000年前に人類が始めた農業に匹敵するポテンシャルがある」とロート・F・沖縄の中原剣社長は熱弁する。
ロート製薬が久米島での活動を始めたのは2016年。微細藻類の培養、研究のスタートは20年。そして研究開発拠点の設置が25年4月だから取り組みの歩みは早くはない。だが、同社が見据えているのは、はるか遠い未来である。
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