社会実装に向けて研究現場に飛び込む
ロート製薬は、業務用ビジネスとして、医療用眼科領域、再生医療、バイオ分野製品の開発製造受託(CDMO)などに取り組んでいる。再生医療とCDMOの収益化は先の話だが、それでも投資を惜しまないのは、社会課題の解決が企業の成長を促す好機と考えているからだ。業務用の先端研究で得た知見は、中核事業である一般向けのOTC医薬品、スキンケア、健康食品の商品開発に応用。さらに専門性の高い知識を生かした産学官連携のプロデュースでも存在感を発揮している。社会課題解決と収益の両立を目指すロート製薬の哲学は、業界の垣根を越えて共感が広がっており、それが現在と未来のビジネスに活力を与えている。
同社の創業は1899(明治32)年。創業者の山田安民は、人々を苦しめる万病の元は胃にあるとして胃腸薬「胃活」を発売。その10年後に眼病が流行ると、失明の危機にある国民を救うために「ロート目薬」を提供した。社会課題と消費者の変化に合わせて新領域にチャレンジする創業の原点は受け継がれており、2000年以降に超高齢社会の到来を見据え、スキンケアを中核としたヘルス&ビューティーに進出。それが連結売上高2708億円の65.3%を稼ぐ主力事業に成長している。現在、再生医療、一次産業、食事業などにチャレンジしているのは、健康寿命延伸に貢献する手段を模索しているからだ。
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