日本メナード化粧品は、肌においてDNAを修復する酵素が加齢に伴って減少することを発見した。また、DNA修復酵素が減少した細胞では、老化を進行させる一因となる炎症性サイトカインやコラーゲン分解酵素の分泌が増加していた。このことから、DNA修復酵素の減少は、肌の老化を加速させると考えられた。そこで、DNA修復酵素を増やす素材を探索したところ、生薬である霊芝から亜臨界水抽出技術により抽出したエキスに優れた効果を見出した。DNAの損傷を修復し、肌の老化を防ぐ成分として期待される。
肌は紫外線などの刺激に常にさらされており、細胞のDNAは日々損傷を受けている。DNAが損傷を受けると、コラーゲンやうるおい成分などの美しい肌を維持するために必要なタンパク質が生成されにくくなる。しかし、肌には損傷したDNAを修復する酵素が存在しており、DNAを絶えず修復しているため、肌の状態が維持されている。
今回、肌において、DNA修復酵素が加齢に伴い減少することを発見した。さらに、DNA修復酵素の発現が低下した細胞を解析すると、炎症性サイトカインやコラーゲン分解酵素が増加していた。このことから、肌におけるDNA修復酵素の減少は、美肌に必要なタンパクの生成を妨げるだけでなく、炎症やコラーゲン分解を引き起こし肌の老化を加速させると考えられた。
また、DNA修復酵素を増やす素材を探索した結果、古くから生薬として珍重されてきた霊芝(黒霊芝および赤霊芝)の亜臨界水抽出物に、優れた効果を見出した。つまり、この抽出物は、肌のDNA修復機能を高めて老化を防ぐ効果があると期待された。
本研究成果は今後、基礎化粧品の開発へ応用していく。なお、本研究成果は2024年10月14~17日にかけてブラジルのイグアスで開催された第34回国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)学術大会にて発表した。