横浜に本拠を置く化粧品専門店「たしろ薬品」は2024年9月9日、まつげエクステ・ブラジリアンワックスを提供する「銀座ボニー 東日本橋店」の事業譲受が完了したと発表した。取得金額は非公開だが、今回の事業譲受により好立地の優良店をグループに取り込むことになる。

たしろ薬品は、長期視点の差別化戦略として、ビジョン「いきがいインフラ産業」を掲げている。自社の役割は化粧品の販売だけでなく、お客一人一人のいきがいをサポートすることだと定義。「人間の美は健全な心身の上に成り立つ。だから、私たちは、生活における電気や水道のようなインフラだと考えている」とたしろ薬品の⽥代正樹社長は説明する。

「いきがいインフラ産業」の取り組みでは、化粧品販売をコア事業に置きながら、新サービス(有料)の提供、新商品開発、食領域での価値提案などを目指す。「銀座ボニー 東日本橋店」の事業を引き継ぐのは、その一環である。

当面の狙いは二つあるだろう。一つ目は、次の時代の事業の柱を育てることだ。「お客さまの支持が厚い店舗なので、まずは円滑な運営を維持することを心掛ける。そのうえで、店舗を増やすことを視野に入れている」と⽥代社長は語る。

二つ目は、既存の化粧品専門店事業とのシナジー発揮である。例えば、化粧品専門店チャネルの店頭活動は定評があるものの、有料化は積年の課題。田代社長は「施術に関するノウハウを吸収し、深いサービスを考えていく」としている。また、将来的には、たしろ薬品が取り扱う化粧品を「銀座ボニー 東日本橋店」で販売する可能性も模索するという。