高級ブランドの価値を生かす小型店開発を計画

経営危機を乗り越え、新しい差別化戦略に辿り着いたのがたしろ薬品(神奈川県横浜市)。足元では超都市型の業態開発に取り組み、それと同時に長期ビジョン「いきがいインフラ産業」に基づく業容拡大に挑んでいる。「主力店の撤退という憂き目を経験したが、結果的に今後の事業戦略の方向性に確信が持てた」と田代正樹社長は振り返る。

たしろ薬品の危機は2022年に訪れた。ルミネ横浜店は主力店舗だったが、同じ館内に競合のアットコスメストアの出店が決まり、7月10日に退店になった。抜群の集客力を持つルミネ横浜からの撤退は、総売り上げの3分の1に影響を与える非常事態である。撤退決定後はスタッフ総出で近隣の横浜ジョイナス店に既存客を誘導し「約8割のお客さまを失わずに済んだ。日頃の活動を通じて、お客さまと店舗スタッフとの信頼関係が構築されていた証しだ」と田代社長は破顔。その一方で、新宿店や蒲田店の新客獲得と固定化に注力。現在、たしろ薬品の業績は、アットコスメストア出店で受けたダメージを乗り越えつつある。

ルミネ新宿店の顧客づくりを強化している

東急プラザ蒲田店も固定客の育成が進む

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