メーカーの政策転換が意味するところ

メーカーの化粧品専門店政策が臨界点に達した。業界トップの資生堂ジャパンが発した「ミライシフト NIPPON 2025」では早期退職支援プランを実施。応募者数は1477人で、美容部員派遣が減る有力専門店もある。花王・カネボウ化粧品はグローバル成長が見込める6ブランドに投資を集中すると発表。そこに路面店に強いトワニーの名はない。アルビオンも独自のEC戦略に挑むと公表。メーカーは専門店を見捨てるのか、という声があるのは周知の事実だ。

しかし、メーカーの政策見直しは苦渋の決断である。歴史を振り返ると、日本の化粧文化を育んだのは化粧品専門店業界である。メーカーがつくった高機能商品をお客に説明しつつ、肌に触れる活動を通して美容意識を引き出し、美を追い求めることの喜びを浸透させた。この化粧文化が礎になり、多様な商品、サービスが生まれ、足元の化粧品市場を支えている。化粧品専門店が果たした役割は高く評価されるべきだろう。

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