いらっしゃいませ禁止で新客を増やす創意工夫

化粧品専門店やよい(兵庫県西宮市)は、店舗とECの両輪を回すOMO戦略で頭角を現し、リアル重視の専門店チャネルに一石を投じている。同社の主力店は京阪モール内にあるセレクトショップ「やよい」とアルビオンドレッサーだが、他にECの楽天市場店にも出店。2023年9月期の売上高は前期比21.3%増の13億7000万円。リアル店舗が同15.2%増、ECが25.2%増といずれも躍進した。今期(24年9月期)の売り上げ計画は約17億円。内訳はリアル店舗が同18.2%増、ECが同25.2%増である。

同社の成長要因は、基本行動の徹底に尽きる。まず店舗では、新客獲得に向けたルールを設定し、製販一体で愚直に取り組む。例えば、店前で立ち止まったお客に「いらっしゃいませ」は禁止。その代わりに、「こんにちは、お手伝いできることがあればおっしゃってください」と声を掛ける。コアタイム(18時〜19時30分)はお客に向き合う時間とし、事務作業や休憩などは避ける。活気ある店内を維持するためにエステ、ライトメイク、店内イベントなどを常に実施するように心掛け、店頭什器もSNSや美容雑誌などのトレンドにあった商品を並べ替えることで、売り場の鮮度維持を徹底している。

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