■M&Aの仲介役をメーカーが果たす可能性
「10年前と何も変わっていない。なかなか進化しない自分、自社、業界について反省しかない」。これはある化粧品専門店の経営者が取材にあたって残した言葉だ。全国化粧品小売協同組合(全粧協)の加盟店数は年間300店ペースで減少。5000店の大台を割っても底が見えない。専門店の共通課題である後継者不足も打開策がなく、「継ぎたいと思えるように支援しなければ」とメーカーの危機感は強くなるばかりだ。有力店の労働環境は改善しているものの、大半の店は離職率が高止まり。有力店でさえ、採用する社員が辞めることを前提に求人を出している状況。とにかく化粧品専門店の社会的地位は上がっていない。スタッフを集められる店、新しい売り場を提案できる店は「一握りではなく、ひとつまみ」という専門店経営者の自虐的な言葉が10年前と何も変わらない化粧品専門店経営の危機的状況を象徴している。
「化粧品は、他のチャネルでも売っている。そこにはないお客さまを魅了する要素をつくれるか。(業界全体を見ると)なかなか脱皮していないというか、進化していない部分が感じられる。ブランドの品揃え、世界観の表現、プロの販売員の育成。ここに先行投資できる化粧品専門店が生き残るでしょう」(専門店経営者)
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