アース製薬の2023年12月期第3四半期業績は、売上高は前年同期比1.9%増の1267億6900万円、営業利益23.3%減の92億1700万円、経常利益22.9%減の99億4400万円、親会社株主に帰属する四半期純利益25.3%減の64億4800万円だった。売り上げは、家庭用品事業では市場環境の変化による入浴剤やマスクの売上減、中国での販売不振などがあったが、国内における良好な気象条件を背景とした虫ケア用品の売上増、ASEANや総合環境衛生事業での伸長が貢献した。利益面では原材料価格高騰などにより売上原価率が前年同期を上回ったことに加え、物流コストおよび人財投資に伴う人件費の増加が利益を圧迫した。
セグメントの業績は、家庭用品事業では価格改定施策の効果の顕在化や気象条件に恵まれたことを受けた虫ケア用品部門の伸長、ペットケア用品などが好調に推移したことによるペット用品・その他部門の売上増加があった一方、市場環境の変化に伴い入浴剤やマスクの販売が前年を下回り、売上高は0.3%減の1126億2800万円となった。セグメント利益は、前期から継続している原材料価格などの高騰の影響や売上構成変化による売上原価率の前年を上回る上昇、物流コストの増加や人財投資に伴う人件費の増加などにより、29.8%減の75億8600万円と大幅な減益となった。
同事業の部門別売り上げは、虫ケア用品部門は国内における「ブラックキャップ」「コバエがホイホイ」などのゴキブリ用や不快害虫用製品の売り上げが伸長したほか、タイ・ベトナムを中心に成長が継続したことにより、1.3%増の572億4800万円となった。
日用品部門は、口腔衛生用品分野で歯科医院の開拓が進んだことに伴う歯科医院専売の洗口液「モンダミンハビットプロ」が伸長したのに加え、オールインワンの洗口液「モンダミンプレミアムケア」が好調だった一方で、「モンダミンペパーミント」などの汎用品が前年を下回り、1.9%減の57億9900万円だった。入浴剤分野は、入浴剤の使用の定着化は進んだものの、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことによる外出機会の増加や今夏の猛暑などの影響もあり、2.8%減の170億3500万円となった。その他日用品分野は家庭用マスクや衣類用防虫剤が足を引っ張り4.4%減の251億3000万円。これらにより同部門全体の売上高は3.5%減の479億6500万円となった。ペット用品・その他部門では、ペット用品分野において猫砂などのケア用品やプレミアムフードがけん引し、10.4%増の74億1400万円となった。
総合環境衛生事業は、売上高は4.0%増の219億9200万円、セグメント利益は8.0%増の13億400万円だった。
23年12月期通期業績は、売上高25億円、営業利益30億円、経常利益28億円、親会社株主に帰属する当期純利益24億円、それぞれ下方修正。売上高3.4%増の1575億円、営業利益32.7%減の50億円、経常利益32.4%減の55億円、親会社株主に帰属する当期純利益43.4%減の30億円を見通す。