アース製薬の2022年12月期第3四半期業績は、売上高1244億4500万円、営業利益120億1300万円、経常利益128億9900万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は86億3500万円だった。22年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しているため前年同期比の記載はないが、会計基準変更影響を除く前年比増減率は売上高2.7%増、営業利益17.9%減、経常利益15.5%減、税金等調整前四半期純利益は15.0%減と利益は各段階とも大幅な減益となる。家庭用品事業で天候不順が影響し国内虫ケア用品の販売が伸び悩む一方、海外における売上成長、総合環境衛生事業の伸長もあり増収となった一方で、原材料価格の高騰や為替変動に加え、セールスミックスの変化により売上原価率が想定を上回ったこと、また販売促進費の増加などが影響し減益だった。
セグメント別にみると、家庭用品事業は、天候不順により虫ケア用品市場が低調に推移した一方で、新製品の売上寄与や消臭芳香剤の売上増などにより、売上高は1129億6600万円となった。利益面では、原材料価格の高騰や為替変動に伴う影響に加え、セールスミックスの変化により売上原価率が想定を上回ったことが影響し、セグメント利益は108億200万円だった。
同事業のうち、虫ケア用品部門は国内では天候が不安定であったことを主因に、市場は前年比で縮小したこともあり、虫ケア用品の主力カテゴリーであるハエ・蚊用やゴキブリ用の売り上げが減少。今春発売した高価格帯の新製品「マモルーム」「イヤな虫ゼロデナイト」の寄与をはじめ、近年伸長を続けるダニ用や不快害虫用で売り上げを伸ばしたものの、主力カテゴリーの減収分をカバーしきれなかった。一方、海外においてはタイ・ベトナムで市場の回復に伴う好調さを堅持した。これらの結果、同部門の売上高は565億1700万円となった。
日用品部門では、口腔衛生用品分野においてレギュラータイプの「モンダミン」が前年を下回る一方で、高機能タイプの「モンダミンプレミアムケア」が好調に推移した結果、売上高は59億1000万円だった。入浴剤分野では、コロナによって拡大した市場規模を維持。こうした市場環境の中、粒剤タイプの「きき湯」、分包タイプの「日本の名湯」が伸長したことに加え、秋季発売新製品の「あわっぴー」の出荷が順調に進んでいることも寄与し、売上高は175億1900万円となった。その他日用品分野においては、消臭芳香剤「スッキーリ!」シリーズや掃除用品「らくハピ」シリーズなどの寄与があり、売上高は263億円。これらの結果、同部門全体の売上高は497億3000万円だった。
ペット用品・その他部門では、ペット用品分野でペットの飼育頭数の増加や在宅時間が増えたことで家庭でのペットとのコミュニケーションが深まったことにより、ネコ砂やタオル・クリーナーなどのペットケア用品が伸長した一方で、天候不順の影響からペット用の虫ケア用品は前年を下回り、売上高は67億1800万円となった。
総合環境衛生事業は、人財の採用・育成、業務効率の改善を目的としたソフトウェアの開発など、顧客のニーズに速やかに対応できる社内体制構築に向けた投資を積極化するとともに、技術開発力の強化により差別化された品質保証サービスを提供することで、契約の維持・拡大を図りました。その結果、同事業の売上高は211億3900万円、セグメント利益は採用増に伴う人件費の増加などにより12億800万円となった。
22年12月期通期業績は、売上高1550億円、営業利益107億5000万円、経常利益111億5000万円、親会社株主に帰属する当期純利益72億8000万円と、前回公表数値を据え置いた。