アース製薬は、東京・丸の内において「モンダミンセミナー2021」を6月6日に開催した。これまでは歯科医師向けの開催だったが、今回からは一般公開とし、150名が参加した。

一般聴講者150名が参加

冒頭登壇したアース製薬の川端克宜社長は、「モンダミン誕生から34年、様々な知見が蓄積されており、口腔内を健やかに保つことが健康に過ごすうえで何よりも大事というエビデンスも上がっている。そこで、口腔内を健康にする取り組みをスタート。その一端をお伝えするとともに、洗口液の価値を伝えていく」と語った。

川端克宜アース製薬社長

イベントは、東京医科歯科大学の春日井昇平名誉教授による司会のもと、明海大学歯学部の申基喆(しんきてつ)部長、昭和大学歯科病院の馬場一美病院長、国立国際医療研究センター国際感染症センター/国際感染症対策室の忽那賢志医長、オリオン歯科医院の衛生士である渡部麻都氏が、それぞれの立場から口腔内の健康維持について説明した。

春日井昇平東京医科歯科大学名誉教授

歯周病のプロとして登壇した申部長は、国内の歯周病の有病者数が2014年時点で5000万人おり、現在はさらに増えていると指摘。そのうえで歯周病による歯の消失と認知症・運動機能障害との関係性について、米国退役軍人病院のデータから説明し、歯周病は全身疾患とのかかわりが深いことを示した。

また、日本におけるマウスウォッシュの普及率の低さにも言及。米国に比べ約半分となっている現状を紹介し、「歯周病の予防と対策はプラークコントロールに尽きる。自身での歯ブラシ、歯石除去などの歯科治療といった方法があるが、セルフケアが最も重要。歯ブラシだけで足りない部分は洗口剤によるケミカルプラークコントロールが有用で、超高齢社会においては非常に便利なアイテム」と述べた。

申基喆(しんきてつ)明海大学歯学部長

馬場病院長は、義歯のプロの視点から咀嚼機能の重要性について説明。咀嚼機能の障害の第一の原因は歯の喪失で、これにより短期的影響として脳の活動性低下、栄養の偏り・低栄養、社会的活動の減少が、長期的影響では認知症・フレイル(身体的機能や認知機能の低下が見られる状態)といった問題が発生するリスクが高まることを示した。特に認知症のリスク因子として、歯が8本以上ない場合では1.2倍、奥歯の損失でかみ合わせに問題がある場合では1.5倍、それぞれリスクが高まる。また歯の欠損を放置しておくことでプレフレイルリスクは1.5倍、フレイルリスクは1.8倍にもなることを示した。

馬場病院長は、「こうしたリスクを防ぐためには、歯周病コントロールによる歯の損失を抑えることが大事。万が一失ってもブリッジや入れ歯、インプラントなどの補綴治療をすることで軽減できる。また補綴治療後のメンテナンスも重要になってくる」とし、洗口液による口腔内のメンテナンスの有効性を強調した。

馬場一美昭和大学歯科病院長

忽那医長は、リモートでの講演。感染症のプロの立場から感染症の基本から新型コロナウイルス感染症の対策などについて説明。接触感染(ノロウイルス、新型コロナ、インフルエンザなど)、飛沫感染(新型コロナ、インフルエンザなど)、空気感染(はしかなど)などウイルス、細菌、真菌、寄生虫によって三つの感染経路が存在し、手洗い、マスク・咳エチケットの徹底、ワクチン接種といった対応が必要であることを示した。また現在感染が拡大している新型コロナウイルスについても言及。SARSやMERSといった動物由来のコロナウイルス感染症と比較して世界で1億7000万人以上が感染するなど感染力が高い一方で、致死率2.1%と「致死率はSARS、MERSと比べて低いが、これだけ多くの方が感染している感染症なので社会に与える影響が大きい」とした。そのほか、イギリス、南アフリカ、ブラジル、インドといった変異株の登場、発症から7日目が軽度と中等度以上の分かれ目となっていることなどを説明した。

忽那賢志国立国際医療研究センター国際感染症センター/国際感染症対策室医長

渡部氏は、アース製薬が歯科医院専売品として展開する「モンダミンHABITPRO」を使用したメンテナンスの事例などを紹介した。

オリオン歯科医院の衛生士である渡部麻都氏

各登壇者の講演の後にはトークセッションを実施。事前に寄せられた歯周病と脳疾患の関係、歯ぎしりなど睡眠中の歯に与えるダメージ要因の注意点などを伝えた。

トークセッションも実施

月刊『国際商業』2021年08月号掲載