アース製薬は、2021年方針説明会をオンラインで実施。川端克宜社長が経営方針、営業方針、新製品について説明した。

経営方針では、昨年公表した23年度を最終年度とする中期経営計画で掲げた重点項目、アジアの収益基盤の拡大、ESG・オープンイノベーション、コストシナジー創出、モノサシ・インフラ刷新の4点を踏襲する。アジアの収益基盤の拡大では、直近5年間で売上げは倍増。展開国の生活者の声を反映した商品開発を加速する。ESG・オープンイノベーションについては「アース製薬単独で取り組めることが少なくなっている。オープンイノベーションの重要性が高まっている」とし、その一例として業界をまたいで新設された日本MA-T工業会への参画を紹介した。コストシナジーに関しては、アース製薬、バスクリン、白元アースといったグループのシナジーを生かし、売り場づくりや商品開発につなげていく。モノサシ・インフラ刷新は、前述の三つに横ぐしを通す取り組みとなる。ベースになるのはESGで、それに沿った経営戦略を進める。またインフラ刷新についてはDXへの対応がその一つ。昨年新設したデジタル戦略事業本部で一元化し、小売業とともにECへの対応など体制を整えていく。

川端克宜社長

営業方針では、生活様式の変化への対応を進める。例えば、20年の虫ケア市場が前年比117%と大きく伸びたが、一方では例年と異なる商品の動き方により「リーディングカンパニーでありながら欠品を起こしてしまった」ことを重く見て、昨年秋以降は21年の商品を前倒しの生産で対応。そのほか、製品部材の在庫確保、生産ライン拡充などで変化に対応できる体制を整えていく。

新製品では、21年にアースグループ全体で110SKUを市場に投入する予定。主力の虫ケアでは、使いやすさにこだわった「おすだけアースレッド無煙プッシュ」「おすだけダニアースレッド無煙プッシュ」を発売。従来の燻煙剤と同等の効き目と利便性を両立させた商品価値を伝え、生活者への貢献度を高める。また、虫よけ剤「サラテクト」を大幅リニューアルする。1回つけると1日中しっかりガードする効き目と、パナソニックと共同開発した人間工学に基づいた持ちやすい容器にすることによる使いやすさの向上といった生活者目線の商品として刷新し、使う感動を届ける。TVCMも投入し、大型リニューアルをアピール。生活者の認知向上を図る。

おすだけアースレッド無煙プッシュ

おすだけダニアースレッド無煙プッシュ

サラテクト

川端社長は、「今後もお客様目線を大切にしながら皆様と一緒に市場拡大に貢献したい。ニューノーマルの時代はまだまだ続くと思いますが、いかなることがあっても変化に対応していく」と結んだ。