アース製薬、プロトリーフ、ハイポネックスジャパンの3社は、合同でスリークロス園芸パートナー会を10月1日に東京・汐留のコンラッドアネックスにおいて開催した。
冒頭、アースガーデンの方針について登壇したアース製薬の川端克宜社長は、昨年はコロナ禍でやむなく中止した3社による園芸パートナー会を〝スリークロス園芸パートナー会〟として今回より改めてスタートすることを示した。
園芸用品市場は2020年が前年比112.1%の745億200万円、21年が同105.9%の788億5600万円と2年連続で伸長。そのなかでアース製薬は17~21年平均年成長率+12.5%と高い成長率を示しており、21年のシェアも7.6%まで拡大している。引き続き成長を実現するためには新規園芸開始者の取り込みと離脱者の抑制の2軸で戦略を進めていく。そのためにわかりやすい売り場づくりとお客に響くマルチメディア展開を行う。
店頭では消費者の目を引く売り場構築に注力。EMALと呼ばれるラウンダー234名を日本全国に配置し、店ごとに密にコミュニケーションすることで売り上げ面での店舗の貢献度を高める。
情報発信に関しては、ツイッター、インスタグラム、YouTubeといったSNSを駆使し、正しい情報を伝える。また、LINEを活用した園芸相談を行うことにより、植物の育成に失敗して離脱することを抑え、新たな園芸従事者を育成していく。現在アースガーデン公式LINEの登録者は23.5万人まで拡大。お客との絆育成で指名買いにつなげていく考えだ。
一方では、若年層へのアプローチも強化する。若年層の方が費用をかける傾向にあり、栽培実施意向も高いからだ。そのための施策の一つが20年に発売した食品系殺虫殺菌剤「ロハピ」。従来のいわゆる殺虫剤とテイストの異なるデザインが好評で、幅広い世代が購入。高齢者に偏りがちだった園芸カテゴリーの業界課題を打破し、カテゴリー市場拡大に貢献している。
川端社長は、「園芸は成長性が高くさらなる拡大を狙うカテゴリー。片手間にやっているわけではない」と改めて園芸カテゴリーへの注力度合いを高めていくことを強調した。
続いて登壇したハイポネックスジャパンの村上恭豊社長は、同社の現況と近未来について説明。YouTubeで園芸研究家や芸能人などがハイポネックス製品を紹介するなど、園芸がブームになっている一方で、コロナ収束後のマーケット縮小を懸念する声もある。この点について村上社長は、「ポジティブにとらえている」と述べ、その理由として近年はインテリアグリーンのメディア露出の増加をあげた。実際市場の動向を見ても家庭菜園分野が前年比107%なのに対し、インテリアグリーンは同161%と高い伸び率を示しており、「新しいマーケットも着実にできてきている」(村上社長)と期待を示した。
プロトリーフの佐藤崇嗣社長は、「地球環境と経済活動が両立できる仕組みを創造し、次世代に伝承する。」という企業理念のもと、コーヒーから生まれた土のリサイクル材「コーヒーの恵み」、インド・スリランカのココヤシをベースにした「かる〜い培養土」、カゴメと共同開発したココヤシ100%の「KAGOMEかる~いトマトの土」といった製品を開発し、企業の持続的な成長とともに地球環境に配慮した仕組みを構築していることを紹介した。
同社では公式YouTube「プロトリーフチャンネル」も開設。佐藤社長は、「細やかで正確なノウハウを発信することで安心して植物を育ててもらえる土壌を作れた」と語った。同チャンネルの登録者数は10万人を突破している。
月刊『国際商業』2021年12月号掲載