アース製薬は11月9日、2020年12月期第3四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比3.6%増の1582億4700万円、営業利益は同103.3%増の179億5700万円、経常利益は同100.2%増の180億9300万円、純利益は同119.1%増の119億7700万円と、増収、粗利増に加え、経費コントロールがの成果が着実に現れ、大幅増益となった。

なお、段階利益はいずれも、第3四半期時点の過去最高益を更新。同社は、①良好な気象条件や巣ごもり消費の拡大により、売上高が前年・計画ともに上回ったこと②売上構成の変化や、原価低減により原価率が改善し、売上総利益が前年・計画ともに上回ったこと③マーケティング費用の抑制、活動費の減少により、販管費比率が前年・計画ともに下回ったこと――の三つが大きく寄与したとみている。

主力の虫ケア用品部門は、国内においては年初から全国的な暖冬となり、出荷最盛期に差し掛かる5月から6月にかけても良好な気象条件であり、また新型コロナウイルスの感染予防対策として換気が推奨されていることを背景に「アースノーマット」など害虫の侵入予防効果のある製品が売り上げを伸ばした。海外においては、ASEAN・中国の現地法人での販売が堅調に加え、サウジアラビアへの輸出売上高が伸長した。

日用品部門では、知覚過敏予防ハミガキ「シュミテクト」が引き続き好調だったほか、入浴剤も好調に推移。その他、新型コロナウイルスの感染症の拡大によりマスク「快適ガード」が売り上げを伸ばし、また巣ごもり消費の拡大を受け掃除用品なども売り上げを伸ばした。一方で、レキットペンキーザ社19年末に販売業務提携を契約を解消した影響も受けた。

その結果、家庭用品事業の売上高は同3.5%増の1457億8500万円、営業利益は121.5%増の165億7400万円となった。

20年12月期通期業績は、新型コロナウイルス感染症の影響を含めない前提で20年2月に公表した数字を据え置き、公表すべき事実が判明次第、速やかに開示する。