アース製薬は2月10日、2020年12月期の連結決算を発表した。売上高は前期比3.4%増の1960億4500万円、営業利益は同191.5%増の114億1600万円、経常利益は同169.6%増の116億6100万円、純利益は同183.8%増の35億4700万円と、増収、粗利増に加え、経費コントロールがの成果が着実に現れ、売上高、利益とも過去最高の実績を達成した。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、浸透した新しい生活様式に伴う需要の変化がポジティブに働いたほか、虫ケア用品では良好な気象条件の後押し、日用品では新製品寄与などに加え、総合環境衛生事業の伸長もあり、売り上げを伸ばした。利益については、売上構成比の変化、製品の季節性に伴い生じる返品の低減により、売上総利益に寄与、またマーケティング費用の効率化などにより、大幅に伸長した。一方、海外事業において収益計画の見直しや、特別損失にのれんの減損損失39億9000万円を計上したが、過去最高益となった。
主力の虫ケア用品部門は、国内においては新型コロナウイルスの感染予防対策として換気が推奨されていることを背景に「アースノーマット」など害虫の侵入予防効果のある製品が売り上げを伸ばした。海外においては、ASEAN・中国の現地法人での販売が堅調なことに加え、サウジアラビアなどへの輸出売上高が伸長した。
日用品部門では、知覚過敏予防ハミガキ「シュミテクト」が引き続き好調に推移したことに加え、洗口液の新製品「モンダミン プレミアムケア ストロングミント」の売り上げも寄与し、伸長した。入浴剤分野は、入浴市場拡大に伴い、粒剤タイプの「きき湯」、分包タイプの「日本の名湯」「いい湯旅立ち」、錠剤タイプの「温包」などが好調に推移。
一方、新型コロナウイルスの感染症の拡大により家庭用マスク「快適ガード」が売り上げを伸ばし、また巣ごもり需要の拡大を受け掃除用品なども売り上げを伸ばしたが、レキットペンキーザ社と19年末に販売業務提携を解消した影響も受けた。
その結果、家庭用品事業の売上高は同3.7%増の1793億7400万円、営業利益は同320.4%増の99億8000万円となった。なお、利益面では、増収および売上高構成比に伴う売上原価率の改善により、売上総利益が増加したことに加え、マーケティング費用の効率化、コロナ禍による旅費、交際費といた活動費の減少も大き寄与した。
21年12月期通期業績は予想は、売上高は2.0%増の2000億円、営業利益は3.6%減の110億円、経常利益は1.4%減の115億円、純利益は97.3%増の70億円とし、売上高と純利益は過去最高を更新する見込みだ。営業利益は20年実績をベースにした水準とした。