アース製薬の2023年12月期第1四半期業績は、売上高は5.7%増の408億1900万円、営業利益は3.9%増の55億3200万円、経常利益は0.1%減の56億4500万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は3.3%増の38億8900万円となり、増収増益となった。虫ケア用品の初動が好調で、価格転嫁による数量減の影響は今のところ軽微である。
セグメント別にみると、家庭用品事業の売上高は4.6%増の373億1800万円となった。年明け以降の気象条件を背景とした虫ケア用品の売上増、新製品が寄与した。利益面では、前期から継続している原材料価格高騰の影響やエネルギー価格上昇に伴うインフラコストの増加、物流コストの増加などはあるものの、増収効果が寄与し、セグメント利益は6.4%増の52億7600万円となった。
虫ケア用品部門の10.3%増の売上高は195億300万円となった。国内においては、年明け以降、全国的に気温が高めに推移したことを背景に、ハエ蚊用やゴキブリ用製品の売上が伸長。加えて、価格改定を含む適正価格での販売、「予防」をコンセプトにした新製品の投入などにより、『マモルームエッセンス虫よけスティック』、『ダニがホイホイ』シリーズなどが売上に寄与した。また、海外においては、タイ・ベトナムを中心に売上成長が継続したことに加え、昨年度に連結したEARTH HOMECARE PRODUCTS(PHILIPPINES),INC.の売上が寄与した。
日用品部門の売上高は2.0%減の155億2200万円となった。口腔衛生用品分野においては、オーラルケアリテラシーの向上や新型コロナウイルスをきっかけとした口腔内の衛生意識の高まりなどにより、オールインワンの洗口液『モンダミンプレミアムケア』が伸長し、売上高は5.5%増の18億6700万円となった。
入浴剤分野においては、新型コロナウイルス感染症により入浴剤の使用の定着化は進み、分包タイプの『日本の名湯』が好調に推移。また、事業譲受により取得した「BARTH」ブランドの中性重炭酸入浴剤の売上が加わった。一方で、足元の市場動向は前年を下回る状況が続いており、売上高は0.4%減の61億7400万円となった。
その他日用品分野においては、SNSでのプロモーション効果もあり、掃除用品の新製品『くるくるバブルーンお風呂まるごと』が売上に寄与したことに加えて、消臭芳香剤『スッキーリ!』シリーズが引き続き好調に推移した。一方で、マスク着用の考え方の見直しにより、家庭用マスク『快適ガードプロ』、『ビースタイル』は低調に推移し、売上高は4.9%減の74億8000万円となった。
ペット用品・その他部門の売上高は6.5%増の22億9100万円となった。飼育頭数の増加に伴い、猫砂などのペットケア用品への需要が高まっていることで売上を伸ばした。
総合環境衛生事業の売上高は2.7%増の65億9000万円、セグメント利益は12.4%減の2億6200万円となった。主要な顧客層である食品関連業界や医薬品関連業界、包材関連業界における衛生管理対策が必須となっている状況。こうした状況の中、人財育成、業務効率の改善を目的としたシステムの導入・開発など、お客のニーズに対応できる社内体制構築に向けた投資を積極化するとともに、技術開発力の強化により差別化された衛生管理サービスを提供した。特に、医薬品業界・再生医療業界へ向けた取り組み、食品安全マネジメントに関する監査・コンサルタント業務の強化を継続した。
23年12月期通期業績は、売上高は5.0%増の1600億円、営業利益は7.6%増の80億円、経常利益は2.0%増の83億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1.8%増の54億円と、前回公表数値を据え置いた。