小林製薬の2023年12月期第1四半期業績は、売上高が前年同期比2.5%増の334億6700万円、営業利益4.5%増の50億6100万円、経常利益1.3%増の51億6800万円、親会社株主に帰属する四半期純利益3.9%増の36億800万円と増収増益だった。

セグメント情報は従来、国内事業・国際事業・通販事業・その他で開示していたが、当第1四半期連結会計期間の期首より、通販事業を国内事業に統合し、国内事業・国際事業・その他で開示している。

国内事業は、耳鳴りに効く漢方薬「ナリピタン当帰芍薬散錠(とうきしゃくやくさんじょう)」や、ホルモン減少などで落ちた脂質代謝を上げ、55歳からのぽっこり下腹脂肪を改善する漢方薬「ビスラットグランEX」、更年期が終わった後などの肩こり・腰痛・重だるさ・冷えなどの症状を改善する生薬製剤「命の母アクティブ」など、昨年春に15品目、秋に10品目の新製品を発売し、売り上げに貢献した。

また、花粉飛散量が昨年に比べて増加したことで、瞳をまるごと洗える洗眼薬「アイボン」や痛くない鼻うがいが簡単にできる「ハナノア」が好調に推移した。さらに、訪日外国人数の増加に伴い、インバウンド需要増加も追い風になった。一方、市場の低迷や競争環境の激化により芳香・消臭剤が苦戦し日用品が減収となった。また売り上げに大きく貢献する新製品を発売できなかった通販も低迷。これらの結果、事業売上高は261億5800万円の横ばい、セグメント利益は10.1%減の36億500万円となった。

国内事業のカテゴリー別内訳では、ヘルスケアは2.8%増の140億3600万円、日用品が6.1%減の81億5100万円、カイロが19.8%増の8億2400万円、通販が9.4%減の19億1300万円だった。

国際事業は、米国と中国のカイロは暖冬の影響で苦戦した一方で、2020年に買収した米国のOTC医薬品メーカーAlva社において、昨年サプライチェーンの混乱により原料供給が滞り、一部製品で欠品が発生したが、今年はその反動で売り上げが増加。また、中国人観光客によるインバウンド需要の増加がみられた香港やタイは好調に推移した。これらに加え、円安による為替差益もあり増収となった。その結果、事業売上高は13.6%増の88億6900万円、セグメント利益は82.7%増の13億5100万円となった。

海外事業の地域別売り上げは、米国が6.7%増の26億7800万円、中国が9.7%増の27億6000万円、東南アジアが27.9%増の22億4100万円、その他が16.7%増の7億900万円と総じて堅調だった。

23年12月期通期業績は、売上高3.5%増の1720億円、営業利益4.4%減の255億円、経常利益6.3%減の265億円、親会社株主に帰属する当期純利益0.9%増の202億円と前回数値を据え置いた。