2022年12月期通期業績は、売上高7.1%増の1662億5800万円、営業利益2.3%増の266億6900万円、経常利益1.0%増の282億8100万円、親会社株主に帰属する当期純利益1.6%増の200億2200万円と増収増益となった。国内事業はインバウンド需要が徐々に回復し、国際事業も円安の影響で大幅に回復した。
国内事業の売上高は1.9%増の1242億4200万円、セグメント利益は6.3%減の224億3400万円。カテゴリー別の売り上げは、ヘルスケアが3.6%増の554億9700万円、日用品が1600万円増(前期比0.0%増)の495億300万円、カイロは3.0%増の57億5300万円とそれぞれ増収の一方で、スキンケアが7.1%減の67億8500万円となった。
国内では、「ナリピタン 当帰芍薬散錠」、「トイレの消臭元 抗菌+」など春に15品目、「ビスラットグランEX」、「命の母 アクティブ」など秋に10品目を発売し、売り上げに貢献した。また、新型コロナウイルス感染症のオミクロン株の拡大に伴い、「のどぬ~るスプレー」や「熱さまシート」の需要が高まった。さらに10月以降、日本の入国制限緩和に伴い訪日外国人数が少しずつ増え、同社のインバウンド需要も増加した。その他の既存品については、「ハナノア」や、サプリメントでは機能性表示食品が売上をけん引した。一方、マスク着用の習慣が続いたことで口臭を気にする人が減少し、主力商品である「ブレスケア」の需要が昨年に引き続き低迷した。
国際事業は円安の影響もあり、売上高は33.4%増の415億5400万円、セグメント利益は255.0%増の32億3400万円となった。エリア別では、米国は26.6%増の164億7400万円、中国は24.0%増の124億8200万円、東南アジアは78.1%増の74億9300万円と全エリアで増収となった。
米国では、2020年に買収したOTC医薬品メーカーAlva社において、サプライチェーンの混乱により原料供給が滞り、第1四半期を中心に一部製品で欠品が発生し、医薬品が伸び悩んだ。一方、コロナ禍で発熱対策としての習慣がついてきたことと、脱マスクの流れが加速したことでインフルエンザの罹患者数が増加し「熱さまシート」が好調に推移した。
中国では3月以降、新型コロナウイルス感染症の拡大によるロックダウンが実施され、同社の製品出荷が一時的に滞ったほか、需要も低迷した。一方、12月に入ってゼロコロナ政策が緩和され、新型コロナウイルスの罹患者数が増加したことで、発熱対策として「熱さまシート」の需要が高まった。
東南アジアでは、新型コロナウイルスやインフルエンザ、デング熱など各種感染症の罹患者が増加し、「熱さまシート」の需要が高まった。
通販事業の売上高は6.2%減の84億3900万円、セグメント利益は5.6%増の4億2000万円となった。売り上げに大きく貢献する新製品を発売できず減収となったが、経費削減努力により増益となった。
23年12月期通期業績は、売上高3.5%増の1720億円、営業利益は4.4%減の255億円、経常利益は6.3%減の265億円、親会社株主に帰属する当期純利益は0.9%増の202億円の見通しである。