3月8日の「国際女性デー」では、化粧品業界でも多くの企業がさまざまな活動への取り組みを発表した。

国際女性デーとは、アメリカで女性が参政権を求めたデモを起源としており、1975年に国連が定めた記念日だ。近年は特にSDGsの一つでもあるジェンダー平等の実現にも深く関わる日として、世界各国でさまざまな活動が行われている。

日本においては、「女性のエンパワーメント推進と社会活性化」および「女性の力によるSDGs推進」を目的としているHAPPY WOMANが、今年の3月8日、持続可能な社会づくりに貢献した個人と企業を表彰する『国際女性デー|HAPPY WOMAN AWARD for SDGs』イベントを実施。

個人部門では黒柳徹子、AIなど7人を選出、企業部門として、コーセーとオイシックス・ラ・大地が表彰された。

●化粧品・美容業界

(コーセー、資生堂、ポーラ、エキップ、日本ロレアル、タカラベルモント)

ウェスティンホテル東京で開催された表彰イベント「HAPPY WOMAN AWARD for SDGs」では、コーセーの小椋敦子執行役員が登壇。「女性応援ブランド賞という大変名誉ある賞をいただきありがとうございます。当社は『美しい知恵 人へ、地球へ。』をコーポレートメッセージとして、美を通じてお客さまの気持ちを明るく、心豊かにする価値を提供するために化粧品の開発、サービス提供、サステナビリティの活動を進めてきました。このコーポレートメッセージを具現化する施策として2009年からのSAVE the BLUEプロジェクトや17年以降全社プロジェクトとして推進しているダイバーシティ&インクルージョンの取り組み、また、コロナ禍で大変な思いをされている医療、ケアワークに従事されている皆さまへの応援の活動など、これらの活動が皆さまのご支持を頂きまして賞を頂けたと思っています。今後とも私どもは美を通じて素晴らしい価値を地球上の皆さまに届けていきたいと思っています」と受賞の喜びとともに、今後への意気込みを語った。

資生堂のグローバルラグジュアリーブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」は、第3回「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」の受賞者を発表。同アワードは、毎年女性の教育に貢献した女性を表彰し、寄付金を通じて少女たちの社会的地位向上を目指すグローバルチャリティプログラムだ。

今年の「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」は、カザフスタンの若い女性や少女たちに向けて質の高いSTEM(科学、技術、工学、数学) 教育の提唱と普及に貢献しているカザフスタンのアリョーナ・トカチェンコさんを選出。この結果について、クレ・ド・ポー ボーテ チーフブランドオフィサーの鈴木ゆかり氏は「彼女の業績は、『人は誰でも、自分自身の世界だけではなく、自分の周りの人々の世界をも変える力を持っている』という、クレ・ド・ポー ボーテブランドの信念を体現するものです」とコメントした。

ポーラは、同日より、女性や地域の可能性を広げるためのさまざまな取り組みを開始すると宣言、大規模な新聞広告も掲載した。この取り組みとして、まず、シワ改善のパイオニア「リンクルショット」ブランド全製品の3月売り上げの一部を、女性支援団体へ寄付。また、積極的に地域を盛り上げ地方創生に貢献しているオーナーの活動を3月8日より、ポーラのホームページにて順次紹介していく。

今回の発表にあたり、ポーラの及川美紀社長は「国際女性デーの今日、POLAは新聞広告を掲載しました。そこには、こんな想いを込めています。自分の意志で道を拓く、「主体的選択」をできる女性を増やしたい。そして、みなさんと一緒に創りたい。『自分と社会の可能性を信じられる、つながりであふれた社会』を」とのメッセージを発信している。

エキップは、「SUQQU(スック)」ブランドにおいて、3月1~31日の期間、国際女性デーサポートプログラムを実施。期間中、全国百貨店およびSUQQU公式オンラインショップでの購入1回ごとに、途上国の女子教育プログラム1日分相当の金額を特定非営利活動法人「ルーム・トゥ・リード・ジャパン」に寄付する施策だ。

日本ロレアルは、外部の有識者からなる「日本ロレアル 女性のエンパワーメント・アドバイザリー・ボード」を新設すると発表した。設立メンバーは、Gender Action Platform理事の大崎麻子氏、自然科学研究機構・分子科学研究所長の川合眞紀氏、Waffle共同代表の斎藤明日美氏、フリージャーナリストの治部れんげ氏、津田塾大学客員教授の村木厚子氏の5人。

同社は、これまでもシングルマザーの就労や女性科学者の活躍支援など、ジェンダー平等実現についてさまざまな活動を通じて、取り組んできたが、今後は引き続き困難な立場にある女性、特にコロナ禍において課題がより顕在化し、困窮に瀕しているシングルマザーの支援と、同社における女性リーダー育成のさらなる強化を目指し、アドバイザリー・ボード・メンバーと協働し、社内外でさらなる女性のエンパワーメントとジェンダー平等の促進を図る。

タカラベルモントは、国際女性デーに対する同社の活動に賛同したアーティストのイワミズアサコとコラボレーションしたオリジナルアートを制作。

同社は、2020年10月にパーパス「美しい人生を、かなえよう。」を発表。すべての人の「美しい人生」をかなえるために、いかなる価値を提供できるかを追求している。ステークホルダーである理美容業界、医療業界では、理容師、美容師、エステティシャン、ネイリスト、ドクター、看護師、歯科衛生士他、多くの女性が活躍しているが、コロナ禍の今、いずれの業種においてもシビアな環境をもたらしている。

そうした中、同アートを通じて、世界中の理美容業界と医療業界で働く女性たちに敬意とエールのメッセージをSNSで発信する。なお、同アートは3月8日の1日限定で、同社のコーポレートウェブサイトのトップページ(https://www.takarabelmont.co.jp/)に掲載される。