世界中の工場をフレキシブルに活用

ユニリーバ・ジャパンは2020年4月、ヘアケアブランド「ラックス」から「ラックス ボタニカル クリーンハンドジェル」を発売した。医薬部外品ではなく、アルコール度数70%の雑貨品だが、除菌剤が不足した新型コロナ禍においてラックスらしい豊潤な香りが生活者に支持された。ヘアケアブランドからハンドジェルを発売するのは違和感があるが、この取り組みは世界180カ国以上でビジネスを行っているユニリーバのスケールメリットを生かしたもの。グローバル企業らしい新型コロナ対策と言える。

同社は主要市場に現地法人を設置し、大きな権限を与えている。現地法人は、足元の生活者ニーズに適した商品を企画し、製造。営業からマーケティングも任されている。国・地域によって導入ブランドが異なるのは、生活習慣などを考慮し、現地法人が決めているからだ。実は日本では、ほとんど衛生用品を取り扱っていない。以前は固形石鹸などを販売していたが、需要減により廃番になった。そのため、衛生清潔用品が不足した新型コロナ禍の日本市場において、ユニリーバの打つ手は限られていた。


世界260カ所の自社工場をフレキシブルに活用し、日用品を供給。その一例が「ラックスボタニカル クリーンハンドジェル」

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