アース製薬の2023年12月期第2四半期業績は、売上高が前年同期比1.1%増の903億2900万円、営業利益16.9%減の99億2100万円、経常利益18.0%減の104億2200万円、親会社株主に帰属する四半期純利益18.0%減の70億4000万円と増収減益だった。売り上げは、家庭用品事業ではコロナ後の環境の変化に伴い入浴剤などが伸び悩んだが、価格改定の実施効果の顕在化、総合環境衛生事業や海外事業の伸長が業績を押し上げた。利益面では原材料価格高騰や売上構成の変化により売上原価率が前年同期を上回ったことに加え、物流コストの増加が影響し2桁の減益となった。

セグメント別にみると家庭用品事業は、価格改定の実施効果の顕在化や良好な気象条件を背景に、虫ケア用品は順調に推移したことに加え、ベトナムを中心に海外事業も伸長。一方で、アフターコロナの環境の変化により入浴剤や家庭用マスクの売り上げが前年を下回り、売上高は0.6%減の820億3200万円となった。セグメント利益は、前期から継続している原材料価格高騰の影響や売上構成の変化による売上原価率の上昇の他、エネルギー価格上昇に伴うインフラコストの増加、物流コストの増加などがあり18.8%減の90億6100万円だった。

そのうち虫ケア用品部門は、国内においては、年初から全国的に暖冬傾向であったことに加え、出荷最盛期の5月から6月にかけても良好な気象条件となり、ゴキブリ用と不快害虫用製品が伸長。また、価格改定を含む適正価格での販売、タイ・ベトナムを中心に売上成長が継続したことが寄与し、売り上げは0・8%増の444億3500万円と横ばいだった。

日用品部門は3.4%減の326億1200万円。口腔衛生用品分野においてマスク着用機会の減少による口臭意識の高まりなどにより、オールインワンの洗口液「モンダミンプレミアムケア」が伸長したことで、売上高は1.1%増の39億9200万円となった。入浴剤分野においては、新型コロナウイルス感染症のまん延に伴う需要の盛り上がりは落ち着き、粉末や分包などの主要剤型を中心に低迷し、市場動向は前年を下回る状況。その動向に比例して低調な推移となり、売上高は2.2%減の116億500万円となった。その他日用品分野においては、消臭芳香剤「スッキーリ!」シリーズ、住居用掃除用品「バブルーン」シリーズが好調だったほか、暑さ対策製品としての冷却剤や保冷剤も好調に推移。一方で、家庭用マスクが低調に推移し、売上高は5.2%減の170億1300万円となった。

ペット用品・その他部門では、ペット用品分野で猫砂や消臭スプレーなどのケア用品やプレミアムフードが伸長し、売上高は5.8%増の49億8400万円だった。

総合環境衛生事業は、売上高は3.9%増の143億4300万円、セグメント利益は、主な契約形態である年間契約における原価率の上昇による影響などにより2.2%減の7億7300万円となった。

23年12月期通期業績は、売上高5.0%増の1600億円、営業利益7.6%増の80億円、経常利益2.0%増の83億円、親会社株主に帰属する当期純利益1.8%増の54億円と、前回公表数値を据え置いた。