日本色材工業研究所の2023年2月期業績は、売上高は前年比35.1%増の117億6000万円と大幅増収。利益面では、営業利益1億6100万円、経常利益1億4800万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2億4600万円と黒字転換した。売り上げは、依然として新型コロナウイルス感染症の影響が大きいものの、国内・海外での化粧品需要の回復の動きを受けた国内・海外向け受注の回復と、子会社Nippon Shikizai France S.A.S.(日本色材フランス)を連結の範囲に加えたことにより増収。利益は、つくば工場第3期拡張等による諸費用増、原材料費や各種経費の上昇といったマイナス要因はあったが、増収とコスト圧縮努力により黒字を確保。親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却による特別利益4000万円の計上等により拡大した。
地域別にみると、日本は国内外の化粧品需要に回復の動きがみられ、国内・海外化粧品メーカー各社からの受注に回復の動きがあることから、売上高は32.3%増の86億8600万円となった。セグメント利益は、増収効果とコスト圧縮により1億3700万円の黒字となった。
フランスは、子会社THEPENIER PHARMA & COSMETICS S.A.S.と日本色材フランス社の所在する欧州は、コロナに加え、ロシアのウクライナ侵攻の影響を大きく受けたものの、ウィズコロナの生活様式としてマスク着用などの感染症対策の解消で先行し、受注に回復の動きがあったのに加え、日本色材フランス社が連結の範囲に加わったこともあり、売上高は43.3%増の31億5500万円となった。セグメント利益は、設備投資に伴う諸費用の増加等に加えてウクライナ侵攻によるエネルギー価格等の高騰や物流の遅延の影響を受けたが、大幅な増収もあって42.5%増の2500万円となった。
24年2月期通期業績予想は、売上高11.6%増の131億2000万円、営業利益75.2%増の2億8300万円、経常利益34.9%増の2億円、親会社株主に帰属する当期純利益43.0%減の1億4000万円を見込んでいる。